5年前の辞退と、SoftBankとの不思議な縁
SoftBankベトナムからの内定を辞退して自分のIkigaiを探した理由と、今そのグループがヘルスケアへ大きく投資している理由について。
5年前、私は面接を通過し、SoftBankベトナムから内定をいただきました。あの日の圧倒されるような感覚は、今でもはっきり覚えています。私は日本で長く暮らし、働き、大きな取引先とも仕事をしてきましたが、当時のSoftBankベトナムのオフィスは、これまで足を踏み入れたなかでも指折りの洗練された、プロフェッショナルな職場だったと認めざるを得ません。目の前にあったのは、グローバルなテクノロジー企業の内側に用意された、明確なキャリアの階段でした。
それでも最終的に、私は微笑んでお断りすることを選びました。
簡単ではなかった決断
この決断は本当に苦しいものでした。SoftBankの創業者は、私が起業の道を歩むうえで最も大きな刺激を与えてくれた存在の一人だからです。尊敬する人の組織からの誘いを断ることは、衝動でも傲慢さでもありません。ITソリューションが企業に大きな価値をもたらすことは理解していましたし、私自身その分野で長く働き、その価値を信じていました。
しかし、当時の私は、名前をつけにくい空白感に包まれていました。ソフトウェアのシステムをどれほど滑らかに最適化しても、それを動かす人々が心身ともに疲れ果てているなら十分とは言えない、と気づいたのです。テクノロジーは仕事を速くしますが、その背後にいる人々がどう生きているのかという問いには、それだけでは答えてくれません。
自分自身のIkigaiを探して
私はその華やかな塔を離れ、立ち止まって自分自身のIkigaiを探すことにしました。仕事という枠を超えて、「自分は社会に何を築き、何を返せるのか」と自問しました。
健康という課題に、根本から向き合う答えを見つけたとき、つまり人を心身の両面から支えたいという願いに行き着いたときに、初めてHOPE CORPが生まれました。私はこれを転職だとは考えていません。テクノロジーの仕事をしていた間ずっと抱えていた問い、「テクノロジーは何のためにあり、誰に仕えるのか」への回帰でした。
しばらくの間、私の道とSoftBankの道は、あの日から二本の平行線になったのだと思っていました。最近までは。
思いがけない共鳴
SoftBankの大きな動きを眺めていて、私は不思議な共鳴を感じ、思わず微笑みました。
同社のVision Fundは、もはや半導体やロボティクスだけに集中しているわけではありません。ヘルスケアという新しい領域に、大きな資源を投じています。製薬大手Rocheの株式を取得し、技術を用いて医療データを分析する合弁会社SB Tempusを設立し、デジタルヘルスのシステムにも投資しています。
かつて私は、ヘルスの仕事をするためにテクノロジー企業を断りました。今日、そのテクノロジー企業が、数十億ドル規模でヘルスの市場に資金を投じています。私はこれを偶然とは捉えていません。自分が選んだ方向が孤立したものではないという、一つのシグナルだと受け止めています。
注目すべきは、SoftBankが医薬品の工場を建てているわけではないという点です。同社が賭けているのは精密医療、つまりAIやデータといったテクノロジーがユーザー体験と出会い、一人ひとりに合わせたケアを生み出す領域です。価値は製品そのものにあるのではなく、人を理解し、寄り添う力にあります。
選んだ道への確信
世界を牽引する組織が未来をどう形づくっているかを見るほど、あの心地よい環境を離れた選択には価値があったと、強く感じます。
今の市場が求めているのは、単体の商品を一箱売るだけの人ではありません。お客様は理解されることを求め、身体、心、知性に体系的に寄り添うソリューションを求めています。私は、能動的な健康管理は、一人ひとりの習慣、生活のリズム、固有のニーズを理解することから始まると考えています。
次の戦略的な一手について、詳しくお話しできる段階ではありません。ただ、一つ確かなのは、HOPE CORPは静かに、しかし力強く変化しているということです。自然と調和して生きるという理念は守りながら、利用者一人ひとりの体験をパーソナライズするための確かな基盤を築いています。IKIは栄養補助食品であり、私たちはその点を常に明確にしています。プロセス、データ、そして一人ひとりへの理解が織り合わさったとき、持続的な価値が生まれると私は信じています。
この経験から学んだこと
過去の断りが、現在の自由な空間を開いてくれることがあります。SoftBankとは同僚にはなりませんでしたが、今日、私たちは大きな交差点で出会っています。健康の未来は、人を根本から理解することから始まるべきだ、という点です。
ビジネスは人生に似ています。非常に良いものを手放す勇気を持ってこそ、より大きなものに手が届くことがあります。この先に何が待っているかは分かりません。それでも、自分が選んだ方向を歩んでいるという確信はあります。
いつか、SoftBankの創業者と握手を交わす日が来るかもしれません。かつての求職者としてではなく、人々の健康を支えるという同じビジョンを持つパートナーとして。
著者
記事
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崇城大学と日系企業のブリッジエンジニアとしての経験から HOPE CORP の AI エージェントまで。創業者の歩みと、投資家・パートナーに求めるものを語ります。
グエンヴァンハン本コンテンツは事業運営の経験を共有するものです。IKIの製品は栄養補助食品であり、医薬品ではなく、治療の代わりにはなりません。

