法務と倫理の線引きは、製品の一部です
効能を主張する競争が信頼を失う中、HOPEが法務・ブランドのリスクを、コードの中で実際に動く仕組みへ変えた理由と方法をお話しします。
今年、当社は過去に自社で公開した記事を見直し、まとめて取り下げました。いずれも業界の通例どおりの書き方で公開されたもので、栄養補助食品の広告規制が強まった時点で、公開されたままのリスクになりました。記事を下げること自体は技術的に難しくありません。難しいのは、これまで積み上げてきたコンテンツ資産の一部が負債だったと、自ら振り返って認めることです。
その後、私は「どうすれば規制に対応して終わりにできるか」と問うのをやめ、別の問いを立てました。私が見張っていなくても、この種の過ちが二度と起こらないようにするには、どうすればよいか。
線引きは手続きではありません
栄養補助食品や美容の業界で定番の競争手段は、医療的な効能の主張です。競合より少し強く、少し早く効くと約束する。強い約束はクリックを集めるため、短期的には勝てます。しかし代償が二つあります。一つは、規制当局が年々厳しくなり、今日の優位が明日の違反になること。もう一つは、顧客の信頼が失われることです。誰もが同じ約束をすれば約束は意味を失い、業界全体が信頼という形で代価を払います。
当社は逆の道を選びました。HOPEとIKIが扱うのは栄養補助食品であり、そのとおりにしか語りません。医薬品との比較はしません。日数を区切った結果の約束もしません。お客様のビフォーアフター写真を根拠に使うこともしません。効能を大きく見せることもしません。ベトナムでは、この姿勢を昔から「福徳(phúc đức)」と呼びます。誠実に商いをし、清潔な製品を届けるという考え方です。私はこれを飾りの道徳とは考えていません。長く続けたい会社にとっては、原料の清潔さと同じ、製品の性質そのものです。お客様が毎日目にするものではありませんが、それがなければ他のすべてが足場を失います。
販促も同じ論理です。当社はギフトの進呈だけを行い、割合による値引きはしません。値引きはブランド全体を価格競争に引き込みますが、ギフトであれば製品の価格はそのまま保たれます。
言葉で書いた規則は、コードを止められません
私にとって根本的な教訓は、広告とは別のところから来ました。一時期、当社の売上は人が手入力する会計ソフトから読み取っていました。反映は数日遅れ、ある月は125件の注文が欠けていました。そのデータ源から売上を取らないという規則は、すでに手引きに明記してありました。それでもソースコードの53か所が、まさにそのデータ源を参照し続け、会社は9日間ほど自社の売上がほとんど見えない状態に陥りました。
それ以来、私はチームに一つの言葉を残しています。言葉で書いた規則は、コードを止められない。 規則はコードの中になければなりません。法務と倫理に当てはめると、以下の各ガードレールは、手引きの一行ではなく、実際に動く仕組みだということです。
コンテンツのための三つのガードレール
- 禁止表現の関門は、ただ一つ。 機械が生成するすべての内容は、ブログ記事からお客様への返信まで、同じ関門を通ります。この関門は、医療的な効能の表現、日数を区切った結果の約束、割合による値引きを遮断します。関門が一つであれば近道はなく、規則を一か所直せば全体が変わります。当社の健康ブログは300本を超え、英語版と日本語版もあり、すべてこの関門を通っています。
- AIに誤った発言をさせようと、あえて誘導する評価。 毎週日曜日に、実際の事例から作った自動採点の問題セットが4種類、主要なAIエージェントに対して走ります。その中には、押されたときにAIが法令に反する発言をしないかを試すためだけに書かれた事例があります。エージェントに任せる仕事を増やすのも、新しいAIモデルへ切り替えるのも、点数が同等以上のときだけです。直近の2026年10月10日の結果は、20/22、16/16、15/15、12/13でした。満点でないものも、あえて記します。自分を測る仕組みには満点にならない結果があり、その数字が、何を直すべきかを教えてくれるからです。
- 公開の前に、必ず人が承認します。 原則は、AIは広く読み、狭く書くことです。投稿やお客様への返信は機械が下書きし、人が承認して初めて送られます。AIには、送金、データ削除、インフラ変更の権限がありません。
広告費とお客様のデータ
お金は一度の過ちが本当の損失になる領域なので、ここの規則は最も厳格です。広告の自動運用は初期設定でオフで、機械は効果を測定し、提案するだけです。予算の増額は、手作業であっても、コード内のただ一か所で1日100万ドン(約38米ドル)に上限が固定されます。呼び出し側ごとに上限を設けないのは、箇所が多いと、いつか一つが漏れるからです。予算を変更する操作は私個人のチャットにしかなく、従業員のいる共有グループには置きません。その結果、機械が誤っても、人が押し間違えても、最大の損害はあらかじめ分かっています。2026年の広告費総額は約3,400万ドンで、売上の約1%ですから、この上限は成長の妨げではなく、過ちの大きさを制限するものです。
お客様のデータも同じ考え方で扱います。電話番号とメールアドレスは、AIに渡す前、またはレポートに載る前に伏せ字にされます。AIアシスタントは、許可されたチャットでのみ応答します。AI呼び出しのログは回数だけを記録し、内容は保存しません。さらに、コードを保存する直前に自動の関門があり、電話番号の一覧、秘密鍵、機密の設定ファイルを含む保存は遮断されます。関門をそこに置いたのは、人の不注意を最も低いコストで止められる瞬間だからです。
投資家の皆様に、HOPEについて理解していただきたいこと
私自身のリスク一覧の筆頭は、栄養補助食品の広告規制がさらに厳しくなることです。私はこれをリスクであると同時に堀でもあると考えており、堀は常に見張る必要があります。お伝えしたいのは、HOPEの法務・ブランド面のリスクが技術として設計されているということです。関門が一つ、毎週の採点、一か所の金額上限、公開前の人の承認、コード保存前の関門があります。
これが投資家の皆様にとって重要な理由は二つあります。第一に、IKIの立ち位置は「約束するのではなく、測る」であり、効能の主張を必要としません。規制が厳しくなるほど、当社が直す部分は少なくなります。第二に、コンプライアンスのコストは人員ではなくソフトウェアに比例して伸びます。コンテンツが増えても、関門は一つのままです。
リスクがゼロだと言うつもりはありません。評価の点数は満点ではなく、規制は変わり続け、人は誤ることもあります。当社にできるのは、リスクを「起きないことを願うもの」から、「止める仕組みがあり、測る数字があり、責任を負う人がいるもの」へ変えることです。
むすびに
誠実に商いをすることは、倫理的な選択に聞こえます。私はそれが技術的な選択でもあると考えています。事故のあとに付け足すのではなく、最初から製品の内側にガードレールを組み込むという選択です。当社にとって福徳とは、コードとして書かれ、毎週採点され、担当者の名前が付いているものです。
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